会社員だった時代、妊娠を理由に昇進が取り消されるというマタハラを受けました。
近年は色々なハラスメントが「いけないこと」として認識されるようになってきましたが、時は8年前、まだまだ「マタハラ」という言葉が一般的に耳にしない時代でした。
だからマタハラを受けた時、張本人である私もそれがマタハラであることに全く気づかなかったのです。
でも「なんかおかしいなぁ。なんか納得できないなぁ。」そんな思いだけはありました。
そこで社内の各所に「これっておかしくないですか?」と聞き回る日々。
上司、人事、同僚、労働組合などなどに掛け合って「これっておかしくないですか?」を聞いた前編はこちら
こうやって色々と動き回ること自体(いけないことしてるのかな?)という気持ちになりました。
会社が「NO!」と言ってるのにそれに対して「おかしい!」というのは反逆意識、非国民ならぬ非会社員なのかとも思ったのです。
今考えるとその考え方こそおかしいですよね。
その頃は私はどっぷりとサラリーマン気質に染まっていて、ただの飼いならされた社畜だったのです。
だって、おかしいのはおかしい。
会社が100%正解な訳が無い。
意見や疑問を主張するのは当たり前の権利。
なのですから。
昇進内辞のあと妊娠、そして昇進取り消し。
からの社内と組合の確認をとった前編に続き、今回は社外へと飛び出す後編です。
厚労省へアポイントを取り、会社側に対応を迫り、さらにその後までをダーっとご紹介します!
一つの会社の一人の妊婦が「おかしくないですか?」と声を上げ続けた記録です。
今マタハラを受けている方、マタハラではないけれど何らかのハラスメントを受けてる方などなど、皆様の参考や勇気をもつきっかけに慣れたらこんなに嬉しいことはありません!
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この状況っておかしいことなの?そうではないの?確信が持てなくてネットで検索する日々・・・
会社からも労働組合からも訴えを退けられた私・・・
そもそも妊娠を理由に昇進を取り消されることはよくあることで間違ってないことなのかな?
と、自分が抱いている違和感やモヤモヤをやり過ごそうともしました。
ですが、こういう時に出ちゃうんです。
私、執念深いんです。
根に持ち、引きずっちゃうタイプなんです。
(ダーーー!やっぱりやっぱり納得できない!!!)
そこからはグーグル様の出番。
ネットで同じような状況の情報が載っていないか検索し始めました。
(もっと早くネットで調べろ!って感じですよね。まだこの頃はアナログ思考だったようです…)
そうして見つけたのが、
「妊娠・出産、育児休業等を理由とする解雇など不利益な取扱いは法律で禁止されています。」
という文言。(厚生労働省HPより抜粋)
(不利益な取扱い?これに昇進取り消しも入るのかなぁ?)
まだまだ疑問だらけな頭の中。
早く答えにたどり着きたい、そんな一心でした。
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厚生労働省の男女雇用機会均等室という強力な味方を手にいれ反撃開始!
確信が持てず、勢いに任せて電話してみることに。
相談窓口へ架電。
「厚生労働省 男女雇用機会均等室です」
(へー!そんな部署があるんだー)まず思った感想。
その後自分の身の上話を説明。
結果、
「妊娠したことを理由に昇進を取り消されることは違法なんです。お勤めの会社にはその認識はなさそうでしたか?」
との回答が。
(やっぱり!!!)
ここで初めて救いの手が差し伸べられました。
この数週間、魚の骨が喉に刺さってるみたいな違和感を感じていたのですが、それが魚の骨だったんだ!と気づかせてもらった気分です。
「もう少し詳しくお話を聞かせていただきたいのでこちらまでお越しいただくことはできますか?」
とのこと。
「はい!伺わせていただきます!」
行きます行きます!
そしてこの魚の骨、抜いてください!
そしていざ当日。
緊張して相談窓口へ行き、約束してる旨を伝えて個室に通される。
そこに現れたのは、マタハラなどのハラスメント問題の解決をされてる女性職員の方でした。
女性であったことにまずホッとしたのを覚えてます。
そしてその後同じく母親(といってもだいぶ先輩でしたが)であることを知り正直さらに信頼度が高まりました。
全てを聞いた職員の方から告げられたのはこんなことでした。
①やはり、その会社の対応は間違っている。法違反に値する。
やっぱり。そうですよね!
(ここに伺う前にマタハラに関する法律についてはネットで少し勉強してきた。)
②会社にその認識がない場合は指導に行く必要がある。
まず、「会社に行って指導することは問題ないですか?」と聞かれました。
その場合、ののさんからの情報提供によるもの、ということは伝えませんので、とのこと。
でも名前を告げなくてもまあ私だって気づきますよね。
もう腹をくくってたので、名前を告げてもいい、ということで了承しました。
③ののさんとしては今後どうして行きたいのか?
やはり、予定通り昇進を希望する、と伝えました。
予定通り、と言っても、すでに期末(3月)の辞令交付は終わってたので追っかけという形になりますが、それは致し方なし、という考えでした。
「後日会社へ連絡してみます。ののさんにもまたこちらから連絡しますね。」
と伝えられその日は厚労省を後にしました。
帰り道、ずんずん歩きながら晴れやかな気持ちで戦闘体制に入る私。
とはいえ、この時はもう自分の昇進なんて半分どうでもよくなってきたのも事実です。
どちらかというと、昭和のおじさんたちが牛耳る、間違った認識や古いしきたりがまかり通る勤務先の会社を成敗することに焦点を当てはじめていました。
会社が完全に嫌いになったわけではないんですよ。
愛社精神こそ失いましたが、会社のいいところだってきちんと認めています。
なので、その会社の悪い部分を思いっきりとっちめてやりたかったのです。
それが結果的にこれからその会社で妊娠する同僚や後輩のためになるならやりがいを感ぜざるを得ません。
ということで、厚労省の男女雇用機会均等室のマタハラ対策担当者、という最強の味方についてもらい急激に戦闘力がアップしたのでした。
厚労省から会社へ指導。会社側から謝罪。本事件は終焉を迎えた。
それから一週間後、仕事をしていると急に人事部から呼び出しが。
会議室に行ってみると、人事部長と先週お世話になった厚労省女性職員が。
(おー!早速きてくれたんだ!それにしてもこの重たい雰囲気、何!?)
促されるまま人事部長の前の席に座る私。
司会進行は厚労省の方。
「ののさん、先日お伺いしたことをもとに御社の人事部長様にお話をいたしました。人事部長様からもののさんは3月に昇進させる予定であった旨確認しました。なのでこの件に関しては会社として認識が甘かった、と言っていただけました。」
(なるほどなるほど。昇進させる予定だったことを隠蔽されなくてよかった〜)とそこにはホッとしました。
その後人事部長より
「今回は会社の認識が古いままになっていて、そのままのやり方で処理してしまいました。ののさんには心配と気苦労をかけてしまい、すみませんでした。」
と、なんと、真正面で頭を下げて謝罪したではありませんか!
のの、完全勝利。
ではあったのですが、、、
内心は、
(えー。そんな、ここでそんな風に頭下げられると何も言えなくなるじゃない・・・)
と困惑。
まさかそんな潔く謝ってくれるなんて想定してなかったのです。
正直50歳オーバーの男性のその潔さにたじろいてしまいました。
「・・・ということなので、ののさん、今回の件はこれから会社にも規則を変えていただく約束もしましたのでよろしいでしょうか?」
と職員の方。
「はい。ありがとうございました。」
と私。
「そこで、ののさんの昇進の件なのですが、」
(そうそう、そこそこ)
「今回はお休みに入るまでにあと2ヶ月ほどなので、ここで辞令を出すと逆に不自然で他の社員の方にも説明がしづらくなると思いますので、お休みを開けて復帰後の翌月1日付けにて昇進の辞令をだす、ということでどうか、と人事部長様からお伝えいただいたのですが、それでどうでしょう?」
とのこと。
もうここでは申し訳なさそうにしてる人事部長を前にして「はい」以外の答えはありませんでした。
最後に人事部長より
「もしお休みされてる間に私に辞令が出て担当が変わってしまっても、必ず後任の人にこの件は申し伝えて昇進できるようにしますので。」
との念押しが。
(おー、そこまで言ってくれるの?)
と見直す私。
そこでこの一連の事件は終焉を迎えたのでした。
その後のお話。会社はどう変わったのか。
そんなやり取りがあったことをまずは上司へ報告。
「へー。会社の規則を変えたってこと?すごいねー」
と、やたら傍観者な意見。
ま、期待してなかったからいいけどね。
アドバイスをくれた同僚にも報告。
「この会社、そうやって動くこともあるんだねー。色々大変だったね。」
あなたたちが妊娠した時にもっと理解ある会社になってますように!
そして私は育休へ入ったのでした。
そして、1年後、復帰。
しっかり翌月1日に辞令出ました!
ここでこの事件の本当の終わりを感じたのでした。
はー、長かったー。
とは言え、休みに入る前に仲のいい同僚から
「それ、休みに入る前に昇進してたら基本給が上がって育休中の手当ても違ったんじゃない?」
・・・
確かにー!!!
そうか。そういうことまで想定していなかったー。
お金、大切ですもんね。もっと考えればよかった。
そして、会社の規則が変わったかどうか、ですが、、、
それ、実はわからないのです。
というのも、「規則、規則」と言っていますが、そういうセンシティブな部分の規則がこの会社では公開になっていないのです。
社員規則っていうのはありますよ?
でもそれは大まかなことが書かれているだけで、細かい規則に関しては人事部や幹部しか見れないようになっているのです。
変な話ですよね?
だから、マタハラを受けた際に会社の規則がどんなものだったかも確認する術はなかったし、その後どう規則が書き換えられたかも確認できないのです。
なんとも気持ち悪い!
人事部にそこの規則を見せてください、って言おうかと思いましたが、やめました。
復帰後は自分と子どもと仕事のことで手一杯でそこまで気が向かなかったのです。
ただこの件で思ったのは「やっぱりこの会社、変!」ってこと。
見えない敵が多過ぎる。
アホらし。
こりゃ、定年まで勤め上げるような会社じゃないな、って感じるきっかけになりましたとさ。
とはいえ、世の中の変化もあり、今ではこの会社もかなり妊婦への理解が出てきたようです。(元同僚談)
この私の件が関係しているかはわかりませんが、何もせず泣き寝入りをしているよりは少しは会社の意識を変えるきっかけになったのは間違いないはず。
最初から諦めずに闘うこと。
闘うのがこわい場合はこそっと身の回りの人に話してみること。
それも気がひける場合はこのブログのコメント欄にお悩みを書き込んでいただいても!
とにかく納得できないことがあったら何かしら行動しましょう!
その先には今より晴れわたった景色が待ってるはずです!
まとめ
マタハラを含む、妊娠・出産、育児休業等に関するハラスメントについては
今から2年前、2017年の1月1日より防止措置を講じることが事業主に義務付けられました。
企業としてマタハラをしない、というのは義務なのです。
世の中を担ってくれる宝をからだに宿した妊婦さんは、それこそ歩く宝です!
マタハラを始め、多くの理不尽なハラスメントがなくなりもっといい世の中、いい国になりますように。
それがハラスメントなのかもわからない、って場合も多いかと思います。
なので悩んでいたらまず誰かに相談。
ネットで調べるのも有効です。
そしてもしできたら勇気を持って行動する。いずれにしても喉に魚の骨がつかえている気分は少しの行動でスッと取れるものです!
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